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ソウル&ファンク大辞典

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Annette Peacock / THE PERFECT RELEASE

毒性の強い悪夢のようなポップス

アネット・ピーコック The Perfect Release,
Annette Peacock, 1979
ヴァイオリニストの母を持ち、幼少時から音楽に囲まれて育ったアネット・ピーコック。10代には禅やサイケデリック文化にはまっている。シンセサイザーやパフォーマンスアートにも早くから注目しており、誰の真似でもない彼女だけの個性を築いていった。

1971年のアルバム“I’m the One”で音楽家として評価され、1978年の“X-Dream”でその地位を固めた。この“The Perfect Release”は1979年に発表。以前は曲ごとにメンバーを変えたりしていたが、本作ではひとつのバンドに固定、安定度をぐっと増している(このメンバーとはリンダ・ルイスのバック・ヴォーカルを務めた時に出会ったらしい)。

アネット・ピーコックは個性が強すぎて、メジャーな存在にはなれなかったが、ジャズ、ロック、アヴァンギャルドの空間を自由自在に浮遊するそのサウンドには、熱狂的なファンも多い。

オススメはオープニングの“Love’s Out to Lunch”。スティールドラムとスペーシーなキーボードが絡む曲調は、彼女にしてはかなりポップだが、強い毒性も感じる。続く“Solar Systems”も大人のアヴァンギャルドなポップス。ここでもMax Middleton(マックス・ミドルトン)のキーボードが炸裂する。最もアネット・ピーコックらしい曲はラストの“Survival”。淡々とした語りが続くこの曲は、ポエトリー・リーディングのようでもあり、ラップのようでもあり、スピリチュアル・ジャズのようでもあるが、やはりベースはどこかポップ。しかし曲の気持ち良さでウトウトしていると、催眠性の毒にやられて悪夢にうなされそうだ。

Producer: Annette Peacock
1979年



Love’s Out to Lunch - Annette Peacock
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