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ソウル&ファンク大辞典

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Hal Galper / THE GUERILLA BAND

苦悩するゲリラが仕掛けるリズムの波状攻撃

ハルギャルパー The Guerilla Band,
Hal Galper, 1973
新しい音を求めてジャズ界がなんとか現状打破を図ろうとしていた1970年代前半を象徴するようなハル・ギャルパーの『ザ・ゲリラ・バンド』。まさにゲリラのようにあらゆる音楽要素の奇襲攻撃を仕掛け、ジャズの限界を突破しようとするかのような野心的な構成になっている。

このアルバムの最前線で攻撃を仕掛けるのはまだ20代の頃のRandy Brecker(ランディ・ブレッカー)。兄のマイケルも参加しているが、ここはランディの一人舞台。彼のトランペットは時折、同時期の電化したマイルス・デイビスのように歪んだり、都会の空を悠然と飛ぶ鷲のように変化したり変幻自在。

しかしこのアルバムの真の聞きどころは全員で紡ぎ出すリズム。二人のドラマーはひたすら細かく刻み、ギターのBob Mann(ボブ・マン)は一人だけ完全にファンクを演っている。ハル・ギャルパーはエレクトリック・ピアノでロックともジャズともいえない世界を彷徨い、ベースとともにリズムとホーン・セクションをつなぐ。

ミュージシャンが苦悩し、混沌とした時代だからこそ生まれた作品。張りつめた緊張感がビシビシとグルーヴになって押し寄せる。

Producer: Bob Shad
1973年



Call - Hal Galper
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