ヒップホップを経験した時代からみた、永遠に完成しないソウル&ファンクの大辞典。
Van Morrison & ヴァン・モリソンとPaddy Moloney(パディ・モローニ)率いるチーフタンズが共演した名作『アイリッシュ・ハートビート』では、こうした歴史を一枚の中で体感できる。世界のあらゆる音楽を吸収しながら、ケルト音楽の発展・普及に尽くすチーフタンズと、非アフリカ系ながら現代ソウルの歌い手としては世界最高峰のヴァン・モリソン。全員アイルランド島生まれの彼らが、島から大陸に渡り、そしてまた島に戻ってきた音楽の旅を疑似体験させてくれる。
ソウルを愛するヴァン・モリソンが、自らのルーツに立ち戻る姿は、60年代から70年代にかけて、多くのブラック・ミュージシャンがアフリカ回帰的な作品をリリースした姿にも似ている。
ソウルを単なるジャンルとして捉えるのではなく、彼にとってのソウルを真摯に追い求めた結果、誕生したのが『アイリッシュ・ハートビート』である。つまりヴァン・モリソンの中で最も純粋なソウル・アルバムでもあるのだ。
Producer: Paddy Moloney, Van Morrison
1988年