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ソウル&ファンク大辞典

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Antonio Carlos Jobim & Elis Regina / ELIS & TOM

ボサノバの完成形

エリス&トム Elis & Tom,
Antonio Carlos Jobim
& Elis Regina,
1974
エリス・レジーナとアントニオ・カルロス・ジョビンというブラジル音楽の二大巨匠の共演。全編もちろんボサノバで占められているが、ジャズが激動していた1974年のカリフォルニア録音ということもあり、音楽的にはかなり進化している。長年、ジョビンの曲だけで構成したアルバムを作りたいというエリス・レジーナの要望がようやく実現した作品。

主役はあくまで大物二人だが、バンドとしてのまとまりも抜群。レコーディング技術を駆使するというよりも、できるだけミニマルなつくりにし、ブラジルらしくメンバー全員のライヴ感を生かした自然な印象を与える。1曲目の名曲“Águas de Março(邦題:三月の水)”の掛け合いにはおもわず微笑んでしまうが、同時にさまざまに伝えられるふたりの間の個人的な感情を全く表面に出さず、たとえヴァーチャルであっても幸せに満ちた作品を完成させたプロの仕事に徹するエリス・レジーナとアントニオ・カルロス・ジョビンのアーティストとしての凄みを実感する。

ブラジル音楽やボサノバに興味のある人なら、必ず通る道であり持っていて絶対に損のないマスターピース。

Producer: Aloysio de Oliveira
1974年



Aguas de Março - Antonio Carlos Jobim & Elis Regina
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