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ソウル&ファンク大辞典

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Antonio Carlos Jobim / STONE FLOWER

触れば儚く崩れてしまいそうな究極のボッサ・ジャズ

アントニオカルロスジョビン Stone Flower,
Antonio Carlos Jobim,
1970
頑固親父のように独自の美学にこだわるためか、この人も名作の多い人だが、アントニオ・カルロス・ジョビンが、アメリカ人に制作を委ねたCTI時代の『ストーン・フラワー』を紹介。

ジョビンの作品としては最もジャズ寄りだが、サウンドの心地良さは、初期の作品や本作と同じCreed Taylor(クリード・テイラー)プロデュースの“Wave(1967年)”にも負けていない。クリード・テイラーとの出会いがなければ、この境地には達していなかったかもしれない。

テイラーが独立する時に、まず契約を結んだというのが、このアントニオ・カルロス・ジョビンといわれている。CTIでやりたいことの指針やエキスのようなものが、この作品には詰まっているように感じる。大名作『イパネマの娘』を収録した“Getz / Gilberto(『ゲッツ/ジルベルト』1964年)”の頃から、テイラーとジョビンは仕事をしており、この時からボサノバ(もしくはラテン)とジャズの相性の良さは実感していたはず。こうした経験があったからこそ、ブラジル人アーティストをたくさん起用し、70年代に一時代を築いたCTIの構想が生まれたのだろう。その中でも一番の大ボスがアントニオ・カルロス・ジョビンなのだから、この人と作品をつくらないなんてCTIを設立する上でもありえない選択だったのだろう。

バックで支えるメンバーも申し分ない。Airto Moreira(アイアート・モレイラ:パーカッション)やEumir Deodato(エウミール・デオダート:ギター)のブラジル勢はもちろんのこと、CTIにも名作を残しているJoe Farrell(ジョー・ファレル:サックス)、Hubert Laws(ヒューバート・ロウズ:フルート)の他、ベースではRon Carter(ロン・カーター)も参加している。

とはいっても『ストーン・フラワー』は、CTIの中心をなす音ではないし、ジョビンのキャリアとしても異色の作品であるが、ジャズの変革期を証明する一枚でありレコード芸術として素晴らしい。できるだけいい音で聴きたい。

Producer: Creed Taylor
1970年



Brasil - Antonio Carlos Jobim
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