ヒップホップを経験した時代からみた、永遠に完成しないソウル&ファンクの大辞典。
大ベテランたちが集結して作られたにも関わらず、デニス・ホッパーの映画にふさわしく音楽的エッジ感が凄まじい。音楽監督は映画『スタンド・バイ・ミー』も担当したJack Nitzche(ジャック・ニッチェ)。その守備範囲は幅広いが、ブラック・ミュージック愛も相当なもので、彼はキーボードで初期ローリングストーンズの録音にも参加している。
演奏の主役はギターとヴォーカルのジョン・リー・フッカー。マイルスがトランペット、タジ・マハールがドブロ、Roy Rogers(ロイ・ロジャーズ)がスライドギターを担当しているが、この4人のハマり具合は、とてもサントラで集まっただけのメンバーだとは思えない。特にブルースにおけるマイルスのフィット感は素晴らしく、ブルースとジャズが同じ血流の上に成り立っていることを再確認させてくれる。
不良ジジイ達が残した単なるサントラを超えた知られざる超渋い傑作。
Producer: Jack Nitzsche, Michael Hoenig
1990年