ヒップホップを経験した時代からみた、永遠に完成しないソウル&ファンクの大辞典。
ボウ・ダラーがダップスのメンバーとしてジェームス・ブラウンのレコーディングに関わっていた時期は短いが、ソロも含めKing Records(キング)で、Hank Ballard(ハンク・バラード)の“How You Gonna Get Respect (When You Haven't Cut Your Process Yet)”や、James Crawford(ジェイムズ・クロフォード)の“Fat Eddie”等でファンキーな演奏を残している。
1969年にダップスが解散したため、ジェームス・ブラウンがその後釜として結成したのがBootsy Collins(ブーツィー・コリンズ)らがいたPacemakers(ペースメイカーズ)であり、このバンドがそのままJ.B.’sになった。
ボウ・ダラー名義のアルバムはなく、代表曲は1970年にリリースされた“Who Knows”ぐらいだ。しかし、ジェームス・ブラウンとの共作であるこの曲は、間違いなくファンク初期の大名作。1989年にSoul II Soul(ソウル・トゥ・ソウル)の“Jazzie’s Groove”にサンプリングされて、ようやく世間の注目を浴びるようになった。
ちなみに、ファンキーな作品を発表しているブルックリンのDaptone Records(ダップトーン・レコード)や所属アーティストのSharon Jones and the Dap-Kings(シャロン・ジョーンズ&ザ・ダップ・キングス)の名前は、ボウ・ダラーのダップスが由来らしい。