ヒップホップを経験した時代からみた、永遠に完成しないソウル&ファンクの大辞典。
Apollo,針を落とすと、まるで一昔前のアニメソングのテーマのようなA1が“Apollo”スタート。A2“Right In Front Of You”では正調60年代モータウンサウンドのパロディ。A3“Astro Disco”になると宇宙ものディスコ(アース・ウインド・アンド・ファイアーと比較するのは論外)。ここまで一気に聞けた人は大したもの。B面もいうまでもなく、統一感は全くなく終了。このレコードは王道ソウル・ファンには絶対受け入れられないだろうが、モンド・ファンクとでも呼べそうな独特のノリに味がある。とは言ってもほとんどの曲は平均点を超えることはないが、好事家ならA1とB4のB級スペース・ファンクだけでも十分に買いだろう。
ちなみにメンバーのKerry Gordyは、モータウンの創設者であるレジェンド、Berry Gordy, Jr.(ベリー・ゴーディー・ジュニア)の息子。親父がブラック・ミュージック界の帝王という最高の音楽環境にありながら、アーティストとして王道を歩むことはできなかった彼だが、おぼっちゃまだけに許されるわがままとしてこんなおかしなアルバムを残してくれた。ちなみに日本にもツアーで来ており、その時はなぜか大受けだったらしい。
Producer: Ray Singleton
1979年