Earth, Wind & Fire / SPIRIT
ウルトラスーパースターへの飛躍台となった作品
Spirit,
Earth, Wind & Fire,
1976
創造性と大衆性を両立できた稀有なバンド、アース・ウィンド&ファイアー。この時点ではまだ『宇宙のファンタジー』や『セプテンバー』『ブギー・ワンダーランド』の超スーパーヒットを出していないが、新時代を感じさせる実力派バンドとしての評価は築いており、本アルバム“Spirit”あたりが彼らにとってその絶妙なバランスを保てた頂点にあたる時期ではないだろうか。アース・ウィンド&ファイアーを新たな次元に導いたチャールズ・ステップニーとの別れや、アフロフューチャリズムの直接的なモチーフであるピラミッドがこのアルバムから登場し、その後、エンターテイメント性を急速に増していくことからも、ここがターニング・ポイントだろう。
後のアース・ウィンド&ファイアーにつながるダンサブルかつ刺激的なナンバーである『ゲッタウェイ』を収録しつつ、単なるファンクバンドではなくジャズのバックグラウンドも感じさせるミドルの“On Your Face”や “Imagination”、 “Earth, Wind & Fire”等、味わい深い曲も多い。
『スピリット(魂)』以降は間違いなくアース・ウィンド&ファイアーを中心にブラックミュージック界は回っており、それを担うだけの人気と実力を有していた。マニアもビギナーも両方楽しめる良作。
Producer: Charles Stepney, Maurice White
1976年