ヒップホップを経験した時代からみた、永遠に完成しないソウル&ファンクの大辞典。
Betty Davis,もう少しクレジットを読むとうっすらとサウンドが見えてくる。ホーンセクションがTower of Power(タワー・オブ・パワー)、ドラムとプロデュースがSly & the Family Stone(スライ&ザ・ファミリー・ストーン)のGregg Errico(グレッグ・エリコ。彼とラリー・グラハムはスライ&ザ・ファミリー・ストーン時代の同僚)。ここまで聞けば、少なくともファンキーな作品であることは間違いない。しかも、このバラバラにも思えるメンバー全員の個性が見事に活かされてもいる。
この作品タイトルはよくあるただのセルフタイトル作ではなく、まさに『ベティ・デイビス』としか説明しようのない必然的なものだ。彼女はこの作品以後もひたすらファンクにこだわった作品を書き続けた。しかし、あまりにも個性的すぎて彼女の音楽を何かに比較するのは難しい。ベティ・デイビスはベディ・デイビスでしかないからだ。音楽に限らず全ての芸術においてこれ以上に重要なことはないだろう。
歌詞やライヴ・パフォーマンスが下世話すぎて、ラジオでオンエアーされることもほとんどなく、評価もされなかった。しかし、ファンクとは本来そういうもの。ベティ・デイビスは確実に独自の道を切り開いており、本物のファンク魂を持っていることは、21世紀のリスナーなら分かるはずだ。
ジミヘン等のロックスターに憧れていたというマイルス・デイビス。きっと彼はこの自由奔放な女性ベティ・デイビスにベタ惚れだったのではないだろうか。
Producer: Greg Errico
1973年