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ソウル&ファンク大辞典

ソウル・クラシックスの大辞典を構築中! スマホ対応なので出先でもどうぞ。

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Matching Mole / MATCHING MOLE

耳を塞ぎたくなるような名作

マッチング・モウル Matching Mole, 1972
Soft Machine(ソフト・マシーン)ではフラストレーションを溜めまくっていたRobert Wyatt(ロバート・ワイアット)が、脱退後、自らがリーダーとなり結成したのがこのマッチング・モウル。このファーストアルバムでは、統一感よりも衝動を優先したようで、まるで彼の脳みそをそのままレコードに注いだような内容だ。

1曲目の“O Caroline”は、これぞロバート・ワイアットというような繊細なバラード。作曲はDavid Sinclair(デイヴィッド・シンクレア)で、ワイアットは詩を担当。別れた女性のことを歌っているらしいが、この詩が普通ありえないような私小説的内容で、自分のカッコ悪さをそのまま吐露するという壮絶な内容。それが美しいメロディに乗って淡々と語られていく。そのままいつの間にかインストの“Instant Pussy”へと続いていくが、この曲もタイトルからして何か悪意がありそうだ。同じ調子でA3 “Signed Curtain”にもつながるが、この歌詞も完全になめきった内容で、ただ曲の展開を説明するだけ。最後に“O Caroline”につながるような情けない一節で曲は終わる。

A4の “Part of the Dance”からは、ロバート・ワイアットのもう一つの側面、カンタベリー系のサイケデリック・ジャズロックとアバンギャルド・ジャズがミックスしたような曲が続く。マッチング・モウルをバンドとして捉えるなら、この辺りが聴きどころとなる。

この作品は大きく分けてこの二つの部分から構成されているが、ラストの“Immediate Curtain”では、両者が衝突し、混沌とした中で終焉を迎える。

リスナーを恐ろしいまでのプライベートな世界に引きずり込みながら、冷静かつ皮肉な視点で一枚の作品にまで仕上げる。こんなことができるのはロバート・ワイアットぐらいしかいないだろう。

Producer: Matching Mole
1972年





O Caroline - Matching Mole
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