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ソウル&ファンク大辞典

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New Order / POWER, CORRUPTION & LIES

白いファンクの出発点

ニューオーダー Power, Corruption & Lies,
New Order, 1983
トーキング・ヘッズのように、黒いグルーヴを巧みに取り入れ、新たな白人発のファンクとして提示するバンドは過去にもいくつかあった。ヒューマン・リーグのようにテクノロジーをうまくダンス・ミュージックに融合させたバンドもあった。そしてこうしたミュージシャンの音には、ルーツである黒人文化へのリスペクトが絶対に隠せなかった。ところがニュー・オーダーは違った。彼らのファンクには汗の匂いが全くせず、完全に白人にしか出せない別のグルーヴがあることを世界に教えてくれたのだ。ジョイ・ディヴィジョンの時代からそれは底辺に漂っていたが、ニュー・オーダーは、第2作目“Power, Corruption & Lies(邦題:権力の美学)”で、それまでのメジャーな音楽界では誰も完成させていなかった「白いファンク」を確立した。

ニュー・オーダーが賢明だったのは、技術不足を解消するために、テクノロジーを素直に受け入れた点だ。テクノロジーと微妙にずれるドラムがグルーヴを生み出し、Bernard Sumner(バーナード・サムナー)のボーカルとギター、Peter Hook(ピーター・フック)のベースがメロディに感情を込める。Henri Fantin-Latour(アンリ・ファンタン・ラトゥール)によるジャケットの花の絵と、裏ジャケットの無機質なカラーチャートのようなデザインが見事にこの対比を表現している。

『権力の美学』でデジタルに感情を込める術を会得した彼らは、このアルバム以後は新たなステージへと移行し、イアン・カーティスの呪縛からようやく逃れることができた。

Producer: New Order
1983年



Your Silent Face - New Order
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