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ソウル&ファンク大辞典

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Rip Rig + Panic / GOD

突然変異から派生した狂気のパンクジャズ

リップリグアンドパニック God,
Rip Rig + Panic, 1981
世の中がパンク一色の時代に、強引にファンクを音楽に取り入れ、パンクを過去のものにしてしまったThe Pop Group(ザ・ポップ・グループ)。この伝説的バンドから派生して生まれたのがリップ・リグ・アンド・パニックだ。Roland Kirk(ローランド・カーク)のアルバム・タイトルがバンド名の由来であることからも分かるように、ザ・ポップ・グループよりもさらにフリージャズの要素が強く出ている。のちにソロとしても成功する女性リードヴォーカルのNeneh Cherry(ネナ・チェリー)は、ジャズ界の奇才Don Cherry(ドン・チェリー)の継娘でもある。きっとメンバーからすると、ジャズ界の奇才の薫陶を受けたであろうネナはミューズのように映っただろう。まだ10代だったネナはこの時期The Slits(ザ・スリッツ)のステージにも上がっており、この一団に非常に愛されていた。

元ポップ・グループのBruce Smith(ブルース・スミス)のドラミングは、ポスト・パンクではなく、完全にジャズ。A3 “Through Nomad Eyeballs”のプレイは美しくもある。もう一人の元ポップ・グループGareth Sager(ガレス・セイガー)は、ギターだけでなく、ヴォーカルや、サックス・キーボード・木琴もかき鳴らし、狂気のジャズファンクを演出している。門外漢とはいえジャズの世界でもテクニックを無視して、パンクの手法を持ち込んだことはある意味画期的。

この時代はパンクにより、一度音楽が解体され、ロック、ジャズ、ソウル、ファンク、テクノ、ワールドミュージック等が融合した音楽の大きな変革期。こうした状況下で生まれた音楽なので、完成度は決して高くはないが、類似の音楽はほとんどなく、ファンクやロックを文化としてとらえれば、世界遺産的な作品でもある。

ヴォーカルでザ・スリッツのAri-Up(アリ・アップ)が参加している。

Producer: Rip Rig + Panic
1981年



Through Nomad Eyeballs - Rip Rig + Panic
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