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ソウル&ファンク大辞典

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The Pop Group / Y

英国をファンク一色に塗り替えた金字塔的作品

ポップグループ Y,
The Pop Group, 1979
1970年代後半のイギリスは、パンク/ニューウェーブの全盛期で、ソウルやファンクにとっては異郷の地であった。その流れを一気に壊したのが、1979年に発表されたThe Pop Group(ザ・ポップ・グループ)のデビュー作“Y(邦題:最後の警告)”だ。当時からポップ・グループはパンクの流れを汲むバンドとして語られているが、彼ら以降、本来のパンクスは消滅した。この“Y”でパンクのスピリットは、ダブやレゲエ、ジャズ、ファンク、ヒップホップに吸収され、それまで「音楽の王」の座についていたロックに代わり、世界の音楽の中心にはダンス・ミュージックが君臨することになった。

影響を受けたアーティストとしてFunkadelic(ファンカデリック)やJohn Cage(ジョン・ケージ)、Nico(ニコ)、Lee Perry(リー・ペリー)、Stooges(ストゥージズ)と、ジャズ界からもJohn Coltrane(ジョン・コルトレーン)、Miles Davis(マイルス・デイビス)、Sun Ra(サン・ラ)、Ornette Coleman(オーネット・コールマン)等をあげているが、まさしく彼らの音はこれら全てをザッピングしたようなサウンド。パンクがロックを破壊したように、彼らはジャンルや人種を問わず、すべての音楽を吸収・破壊・再構築し、それを大衆に向けたポップ・ソングとして提案したのだ。

この作品の完成度を高めているのがプロデューサーのDennis Bovell(デニス・ボーヴェル)だ。レゲエバンドMatumbi(マトゥンビ)のリーダーでもあるボーヴェルは、この直前に世界初といわれているダブ・ポエトリーの作品“Dread Beat an’ Blood”をPoet and the Roots(ポエット&ザ・ルーツ)としてLinton Kwesi Johnson(リントン・クウェシ・ジョンソン)とともに制作している。もしかしたら、ボーヴェルの頭の中には、ポップ・グループの“Y”も、Mark Stewart(マーク・スチュワート)の詩をダブ・ポエトリーに置き換えて考えていたのかもしれない。セカンドアルバムの“For How Much Longer Do We Tolerate Mass Murder?”では、詩人で元祖ラッパーのLast Poets(ラスト・ポエッツ)が参加しているので、詩にはかなりのこだわりがあったようだ。

たまにポップ・グループのことをパンクの残党による「時代のあだ花」のように書いた記事を見ることがあるが、彼らの神髄は、テクニックではなく、ファンクネスにあるので、頭で音楽を考える人や、技術中心に音楽を考える人にとっては、聞く価値がないかもしれない。

ポップ・グループというバンド名だが、決してポップス的な「ポップ」ではないので、取り扱いにはご注意を。

Producer: Dennis Bovell
1979年





She's Beyond Good and Evil - The Pop Group
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