ヒップホップを経験した時代からみた、永遠に完成しないソウル&ファンクの大辞典。
サウンドはフェラ・クティ直系のようなアフロビートを柱として、パンク、ロック、ダブ、時にはポップスさえも一つの鍋にぶち込んで融合。フェラ・クティよりも都会に住んでいるだけあって、多様な音楽が日常に溢れているのは自然なこと。それを気負いなくミクスチャーできるところがじゃがたらの凄いところ。
そして歌詞。肉体的な単語を多用しながらも、おそらく意味するところは、ビートにも直結するような根源的な世界。シンプルな言葉とリズムの繰り返しによりトランス状態が高まっていく。全ては洗練に導くのではなく、混沌へと向かうための呪術。
初期の過激なパフォーマンスや江戸アケミの奇行のような伝説がなくても、この作品の凄さは十分に伝わるはず。そろそろ、この暗黒大陸じゃがたら『南蛮渡来』の頃のような危なっかしいバンドが21世紀に現れてもいいのではないだろうか。
Producer: 暗黒大陸じゃがたら
1982年