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ソウル&ファンク大辞典

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Pharaohs / AWAKENING

天才のかけらが封印された一枚

ファラオズ Awakening,
Pharaohs, 1971
シカゴの大学生を中心に活動していたThe Jazzmenと、アフリカ系米国人の文化活動を支援するAffro Arts TheaterのArtistic Heritage Ensemble(アーティスティック・ヘリテッジ・アンサンブル)という集団が融合して、まだ荒々しいアフロ臭プンプンのファンクバンド、ファラオズは誕生した。The Jazzmenにはアース・ウインド&ファイアー結成前のモーリス・ホワイトが在籍、アーティスティック・ヘリテッジ・アンサンブルにはサン・ラー・アーケストラの初期メンバーPhil Cohran(フィル・コーラン)がいた。

この“Awakening”にモーリスは参加していないようだが、ファラオズのホーンセクションのメンバー数人はこの直後、アース・ウインド&ファイアーに加入している。また、サン・ラーの流れを汲んでいることや、このアルバムジャケットを見ても明らかなように、ファラオズのコンセプトの一部はアース・ウインド&ファイアーに引き継がれているものと想像される。

バンド結成の経緯だけでも十分興味深いが、サウンドもかなり興味深い。アフロファンクのA1 “Damballa”、A2 “Ibo”でアルバムは始まり、A3 “Tracks of My Tears”では超ド級のデトロイト風ソウルを聞かせてくれる。続くA4 “Black Enuff”は、アース・ウインド&ファイアーを彷彿とさせるダンサブルなファンク。A5 “Somebody’s Been Sleeping”は、100 Proof Aged in Soulの曲をアフロジャズ風にカバー。黒さと意外なほどのポップさが両立したB1 “Freedom Road”は、ブラックスプロイテーションのサントラのようで非常に味がある。そしてラストの長尺曲“Great House”は、彼らの本領を発揮したアフロジャズファンクの傑作。

レアグルーヴという括りだけで聴くにはもったいないような全曲充実した作品。

Producer: Great House Prod., Inc.
1971年



Tracks of My Tears - Pharaohs
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