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ソウル&ファンク大辞典

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Donald Byrd / ETHIOPIAN KNIGHTS

ジャズ界の巨匠の野性が沸々と煮えたぎった作品

ドナルド バード Ethiopian Knights,
Donald Byrd, 1972
すでに巨匠だったドナルド・バードがこの時期没頭していたのが、ジェームス・ブラウンやスライ&ザ・ファミリーストーンに影響を受けたファンクだった。そして、それまでの輝かしい栄光を顧みず、下品なまでにドス黒いグルーヴを打ち出したのが、この『エチオピアン・ナイツ』だった。タイトルからもわかるように、同時代のブラック・アーティストと同じく、自らのルーツであるアフリカを強烈に意識するが故のファンクの導入だったようだ。

ヘビーなグルーヴを叩き出しているリズム隊は、ドラムにEd Greene(エド・グリーン)、ベースにWilton Felder(ウィルトン・フェルダー)と意外に黒くない顔ぶれ。エド・グリーンはドナルド・バードの作品に参加して脚光を浴びたが、その後はジェフ・ベックやスティーリー・ダン等の参加しており、ファンクよりもっと洗練された音を出していた。ウィルトン・フェルダーはジャズ・クルセーダーズの創設メンバーで、こちらもどちらかというとメロウなサウンドを得意としていた人。他のメンバーもオルガンにJoe Sample(ジョー・サンプル)、ギターにDavid T. Walker(デヴィッド・T・ウォーカー)、ヴィブラフォンにBobby Hutcherson(ボビー・ハッチャーソン)と、やはりメロウな面々ばかりだが、それぞれみんな取り憑かれたように黒汁グルーヴを出している。きっと時代のムードが彼らを凶暴なプレイヤーに変貌させただろう。

ジャズに興味があまりない人でも、黒いファンクが好きならきっと楽しめる作品。

Producer: George Butler
1972年



The Emperor - Donald Byrd
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