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ソウル&ファンク大辞典

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Steely Dan / AJA

忖度しないからこそ生まれた歴史的傑作

スティーリーダン Aja,
Steely Dan, 1977
大学時代に出会ったドナルド・フェイゲンとウォルター・ベッカー。二人は作曲家志望だったが、デビューが決まりスティーリー・ダンというバンドを結成することなる。デビューアルバム“Can’t Buy a Thrill”の頃はまだアメリカン・ロック色もあったが、音楽的にはどこかジャズを感じさせた。その後メンバーとの関係悪化もあり、補充のためにジャズ界の大物スタジオ・ミュージシャンを次々に起用し始める。

そして1977年に発表した“Aja(彩:エイジャ)”の時点では、実質的にスティー・ダンは大学時代の友人二人に戻り、初期の希望であった作曲家としての能力を十二分に発揮した歴史的名作を制作することができた。

サポート・メンバーはジャズ界を中心に超一流ばかり。Crusaders(クルセイダーズ)のJoe Sample(ジョー・サンプル)やLarry Carlrton(ラリー・カールトン)、Weather Report(ウェザー・リポート)のWayne Shorter(ウェイン・ショーター)、ドゥービー・ブラザーズのMichael McDonald(マイケル・マクドナルド)を始め挙げればきりがないほどビッグネームが顔を揃え、しかも曲ごとにメンバーを変えるこだわりよう。

音楽のカテゴリーを語ることが虚しくなるような誰が聞いてもいいと思えるような素晴らしい作品。全体的にはメロウなイメージだが、よく聞き込むとかなり脳がヒリヒリするほど刺激的でもある。ジャズだけで育った人だと、これほど巧みにポップさと刺激をブレンドするのは難しいはず。

アルバムジャケットの和風の女性は日本人スーパーモデルの先駆け山口小夜子。

それにしてもこの二人、音楽的には文句のつけようがないが、性格的には相当悪そうな印象を受ける。しかし、それこそがアーティストの必須条件であるともいえる。音楽の演奏家は周囲と息を合わせ美しいハーモニーを生み出すことを求められるが、曲を作る人間はむしろ独裁者の方が向いている。周りに忖度しまくって生み出された作品なんて、リスナーからしてみれば“Expensive Shit”でしかないのだ(フェラ・クティ的に表現してみました)。

Producer: Gary Katz
1977年



Peg - Steely Dan
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