Twitter Facebook

ソウル&ファンク大辞典

ヒップホップを経験した時代からみた、永遠に完成しないソウル&ファンクの大辞典。

A | B | C | D | E | F | G | H | I | J | K | L | M | N | O | P | Q | R | S | T | UVW | XYZ

Ray Barretto / ACID

NYサルサの開拓者による意欲作

レイ・バレット Acid,
Ray Barretto,
1968
プエルトリコ移民の両親のもとにニューヨークで生まれたレイ・バレット。育ちは大都会のど真ん中マンハッタンのスパニッシュ・ハーレム。ラテン、ジャズ、ソウル、ブーガルーが混じったこのアルバム・スタイルはメルティング・ポット、マンハッタンで育ったバレットにとって当然の成り行きであり、彼自身が、所属するFania Records(ファニア)とともにニューヨーク・サルサの基礎を開拓していったことを考えると、このアルバムタイトルも納得もできる。“Acid”はレイ・バレットにとってファニア移籍後の第1弾アルバムでもあり、その意気込みが内容にあらわれている。

こんなファンキーなラテンソウルなので、サンプリングネタにもよくなっている。このアルバムからは“Mercy, Mercy, Baby”が、Pete Rock & C.L. Smooth(ピート・ロック&CLスムース)の“Good Life”のネタになっており、アイズレー・ブラザーズやビートルズのバージョンで有名な『ツイスト・アンド・シャウト』のような“A Deeper Shade of Soul”では、逆にEddie Floyd(エディ・フロイド)の“Knock on Wood”のフレーズを曲中で大胆に使用している。タイトル曲の“Acid”では、レイ・バレットのコンガと、ニューヨークらしいサルサとソウルジャズのハイブリッド音楽を堪能できる。

アルバムジャケットやタイトルのイメージからは程遠い内容ものの、ラテン・ジャズソウルの大名盤には間違いない。

Producer: Harvey Averne, Jerry Masucci
1968年



A Deeper Shade of Soul - Ray Barretto
関連アーティスト