ヒップホップを経験した時代からみた、永遠に完成しないソウル&ファンクの大辞典。
とはいってもヒットしなかったわけではない。このアルバムからはA1 “(I’m a) Road Runner”、A2 “How Sweet It Is (To Be Loved by You)”、A3 “Pucker Up Buttercup”、A4 “Money (That’s What I Want)”の4曲もヒットしている。A1はHolland-Dozier-Holland(ホーランド=ドジャー=ホーランド)作の曲で、前年の“Shotgun”と並びジュニア・ウォーカー&ジ・オール・スターズを代表する曲。A2もH-D-H作で、マーヴィン・ゲイのカバー。A3はJohnny Bristol(ジョニー・ブリストル)Harvey Fuqua(ハーヴェイ・フークア)共作のダンスナンバー。A4はモータウン隆盛のきっかけとなったBarrett Strong(バレット・ストロング)の名曲で、ビートルズのカバーが有名。
曲によってプロデューサーを変えるのは、モータウンのヒットの方程式。それでも統一感を感じるのはジュニア・ウォーカーの個性の強さだろうか。
グルーヴを引っ張るベースはFunk Brothers(ファンク・ブラザーズ)のJames Jamerson(ジェームス・ジェマーソン)。
ちなみにアルバム・ジャケットにもイラストが載っているのですっかりあの有名なアニメの『ロードランナー』と関係があるのかと思っていたが、キャラクターが微妙に違っており、どうやら便乗商法のようである。ロードランナーはアメリカに生息する鳥の名前なので、絵にしたからといって文句を言われる筋合いではないが…。
Producer: Johnny Bristol, Henry Cosby, Lamont Dozier, Harvey Fuqua, Berry Gordy, Jr., Brian Holland, Lawrence Horn, Mickey Stevenson
1966年