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ソウル&ファンク大辞典

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Dells / GIVE YOUR BABY A STANDING OVATION

どんなサウンドでも自分たちのものにしてしまうソウルの錬金術師

ザ・デルズ Give Your Baby
a Standing Ovation,
Dells, 1973
ザ・デルズといえば、迫力あるMarvin Junior(マーヴィン・ジュニア)のハスキーヴォイスと、スーパーハイトーンなJohny Carter(ジョニー・カーター)の対比が個性的で、「これぞソウル!」という印象がある。しかし、バックトラックだけを聞いてみると、意外に「これがソウル?」というようなサウンドも多い。それもこれもキャリアが長く、実力的にもソウル界の頂点にいるような彼らだから、たくさんの引き出しがあり、どんなサウンドでもデルズ風味で仕上げる能力があることがその理由だろう。

この“Give Your Baby a Standing Ovation”では、3人のプロデューサーが、デルズの魅力を引き出している。1曲目のタイトル曲では、デトロイトソウルの重鎮Don Davis(ドン・デイヴィス)が、絶妙な仕事をしている。最高の素材であるデルズの実力を、ありのままに使い、ソウルの王道ともいえるバラードの傑作を仕上げた。この曲はデルズの中でも屈指の名曲だ。

このアルバムで最も多くの曲を担当したプロデューサーがCharles Stepney(チャールズ・ステップニー)。彼はジャズからソウル、そしてRotary Connection(ロータリー・コネクション)のような実験的なものまで手がけた人で、彼の幅の広さがそのままこのアルバムでも活かされている。例えば、A3“You Don’t Care”は、同じバラードでもドン・デイヴィスとは違いフィリー・テイスト仕上げ、続く“Share”や“Love Can Make It Easier”はカントリーやフォーク、ジャズの影響も感じる。これは同じ時期にステップニーがTerry Callier(テリー・キャリアー)を手がけていたからだろうか。

3人目のプロデューサーはBob Miller(ボブ・ミラー)。彼もステップニーと同じくデルズとは長い付き合いで、このアルバムの中では最もデルズのイメージに近いサウンドを作っている。曲はスタンダードの名曲“The Glory of Love”だが、Benny Goodman(ベニー・グッドマン)のオリジナルとは全く違う解釈でデルズ・サウンドに仕上げている。

こんな多様なサウンドなのに一枚通して聞くと、完全にデルズ風味にまとめられているのは、実力者だけにできる力技であり、さすがとしか言いようがない。

Producer: Don Davis, Charles Stepney, Bob Miller
1973年





Give Your Baby a Standing Ovation - Dells
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