ヒップホップを経験した時代からみた、永遠に完成しないソウル&ファンクの大辞典。
プロデュースはアース・ウインド&ファイアーのMaurice White(モーリス・ホワイト)なので、音は限りなく洗練されながらタイトでもある。“Watching Over”なんかは所々アースの香りもする。バックはブラック・ミュージック界の天下統一を目前にしたEW&F中心のメンバーが支えているので、当然といえば当然だが。
デニース・ウィリアムスは、ミニー・リパートンと同じく元Wonderlove(ワンダーラヴ。スティービー・ワンダーのバックヴォーカル隊)のメンバー。この作品にはスティービーもミニーも関係していないが、その影響は何となく感じる。それにしても、シリータも含めスティービー・ワンダーのエンジェル・ヴォイスを見つける能力はおそろいしいほど研ぎ澄まされていることを実感する。
「フリー」に代表されるように、決して派手な作品ではないが、21世紀に聞いても全く古さを感じない名作。
Producer: Maurice White, Charles Stepney
1976年