ヒップホップを経験した時代からみた、永遠に完成しないソウル&ファンクの大辞典。
60年代にはカリフォルニアに拠点を移し、レイ・チャールズやアレサ・フランクリン、そしてモータウン所属のマーヴィン・ゲイ、テンプテーションズ、フォー・トップス、グラディス・ナイト等、ソウル界の大物のバックを務めた。
そして生涯を通じ最も親交が深かったのがこのアルバムのプロデューサーを任されたジョニー・オーティス(ピアノとヴィブラフォンも担当)。レコーディング時はまだ14歳だった息子のシュギー・オーティスもギターとベースで参加している。そしてほとんどの曲をこの二人が提供している。
全体の感じは、どこかヒューイ・ピアノ・スミスにも似たオールド・ニューオーリンズの明るさとジョニー・オーティス的なイナたいブルースが混じったような雰囲気。つまりブラック・ミュージックの美味しいとこ取り。数々の一流アーティストのバックを務めた人物とは思えないようなB級感に溢れている。レアグルーヴがなければ、完全に歴史的に抹殺されていた類の音楽かもしれない。
バックは、ジョニー・オーティスのバンドを使っており、控えめなプレストン・ラヴを活かすというよりも、友人をアルバム・デビューさせようとした我の強いジョニー・オーティスの個性が出た親切かおせっかいかわからないドンならではの心遣い(ということはジョニー・オーティス・ファンなら文句なく楽しめる最高な作品ということ)。
Producer: Johnny Otis
1970年